小橋川共男写真集 琉球弧 美ら海紀行

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撮影:小橋川共男
体裁:64p(モノクロ) 25.5cm×22.5mm


炎天下に歩きまわるのは、他所者のする事などと笑われるが、初めての来訪者には、炎天下であろうと、雨であろうと、時間のあるうちに色々と見たいものなのだ。私の事だが、島に来た以上、全部の部落を歩いて廻ろうと計画を立てた。臆病なくせに、見たい、会いたい、知りたいの気持ちは強いのだ。人の姿を目当てに歩き、い草を刈る人びと、田植えの婦人たち、浜でサシミを切るウミンチュなど、島の人びとの暮らしぶりを撮らせてもらい、話を聞いて廻ったが、さすがの暑さにうんざり。涼を求めたモクマオウの木影には、ゆったりとした縁台が作られ、枕木までが据えられて、オジイと素裸の子どもが静かに海を見ていた。静寂たげが、ここにはあった。私は木影に寄り添い、エメラルドの海が眼下に開ける涼風の園で、なぜか記憶の底へ引き込まれてゆくのを感じた。1978年 伊是名島 (41.縁台より抜粋)
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